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うつ病による労災認定。やっぱ難しい?

※現在、当事務所では個人様への労災保険の手続き代行は扱っておりませんので予めご了承下さい。

うつ病による労災認定は難しいと言われていますが、どうなると労災として認められるのでしょうか?精神疾患での認定方法についてご説明します。また、精神疾患の既往症がある方は難しくなります。

1.精神障害の労災認定要件

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6カ月の間に業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

 

以上が、大まかな労災認定される要件なのですが、これが更に詳しく決められていますので、一部を抜粋してあげておきます。

 

2.認定基準の対象となる精神障害とは?

代表的なもの うつ病、急性ストレス反応など
 認定対象にならないもの  認知症や頭部外傷による精神障害、アルコール依存、薬物依存など


※業務に起因する頭部外傷による精神障害は、頭部外傷の後遺障害による障害補償年金が請求できる場合があります。

※アルコール依存や認知症の場合、厚生年金等による障害年金が請求できる場合があります。


3.強い心理的負荷とは?

原則、「業務による心理的負荷評価表」というものが存在し、そこに該当するかどうかでも判断します。

【例】

  • 生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、または永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気やケガをした
  • わいせつ行為などのセクハラを受けた
  • 長時間労働(1か月におおむね160時間を超えるような労働など)

 

などがそれに当たります。詳しくは最寄りまたは事業所管轄の労働基準監督署にご相談ください。 

4.業務以外の心理的負荷が認められないことを証明する

こちらも、原則、「業務以外の心理的負荷評価表」を用いて判断することになります。


【例1】

  • 離婚や別居があった
  • 身内が亡くなったり、病気になったりした
  • 天災や犯罪などに巻き込まれた

【例2】

  • 精神障害の既往症がある
  • アルコール依存症である

以上の出来事などがあったりすると、業務以外での発病が疑われ、判断が難しくなります。